Colors,Future!Summit2023製作委員会に参画している各社のメンバーが、川崎への想いや100周年記念事業への意気込みを語り合う「かわさきPEOPLE」。今回は東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、東急不動産ホールディングス株式会社、学校法人昭和大学、株式会社EVERY DAY IS THE DAYから4名の方々にお集まりいただきました。
尾島 政樹
(NTT東日本)
神奈川エリア統括部 担当課⻑、インフラエンジニア。NTT川崎ビルの緑活動や市内の学校への出張授業などを通じて、住民の方々との交流を深めてきた。幼少期はモノレールに乗って向ヶ丘遊園に遊びにいくのが楽しみだった。
樫村 英将
(東急不動産ホールディングス株式会社)
グループソリューション推進部所属。営業として、これまでさまざまなまちづくりプロジェクトを経験。官民連携を強化し、川崎の未来をともに考えるべくColors,Future!Summit2023製作委員会に参画。
平山 龍
(学校法人昭和大学)
総務部企画課所属。2021年、昭和大学として鷺沼に校地を取得したことをきっかけに、川崎との関係が始まった。Colors,Future!Summit2023製作委員会では唯一の学校法人として参画。
三浦 宗丈
(株式会社EVERY DAY IS THE DAY)
プロジェクトデザイナー/クリエイティブディレクター。これまで川崎のシティプロモーションに長く携わり、市のロゴマークやブランドメッセージの策定を主導。100周年記念事業においてはスキーム作り等を担う。
—本日はよろしくお願いします。
まずは、これまで川崎市とどのような関わりがあったのか教えてください。
尾島:
NTT東日本は「つなぐ」ことを使命に、通信の保守と復旧という側面から、川崎のインフラを支えてきました。また、2010年から川崎区宮前町にあるNTT川崎ビルの屋上緑化活動に取り組んでおり、今年も苗を植えたサツマイモの「収穫祭」を開催。近隣の幼稚園の園児たちと一緒に土を掘り起こし、交流しながら160kgものサツマイモを収穫しました。
平山:
昭和大学としては、2021年に鷺沼に校地を取得したことをきっかけに、川崎と接点を持つようになりました。現在は宮前区民の皆さまに運動場として開放しており、来年から新キャンパスの建設が始まる予定です。
樫村:
私は昨年から社内の官民連携チームに所属しており川崎市を担当しております。その中で川崎市とより一層関係を深められないか検討していたところ、100周年記念事業のお話をいただき、製作委員会に参画させていただくことになりました。東急不動産ホールディングスとしては、登戸駅前地区の再開発や各種公共施設、公園の管理運営等で川崎市とは密に連携をとっています。
三浦:
私は10年ほど前から、川崎市のシティプロモーションに携わるようになり、2016年には市のブランドメッセージ、ロゴマークの開発を担当しました。福田市長とともに「Colors,Future! いろいろって、未来。」のブランドメッセージを策定したですが、ブランドステートメントに「次の100年に向けて」という1文がありまして。当時から川崎市としてはこの100周年記念事業、そしてその先を見据えていたんだなと、今になって改めて思いますね。プライベートでは溝の口に住んでいるので、一市民の目線も大切にしながらまちづくりに携わっています。
—川崎市との思い出や印象深いエピソードはありますか?
平山:
これからもっと深い関係を築いていけたらと思っていますが、先日開催された宮前区民祭には昭和大学としてブースを出展させていただきました。聖マリアンナ医科大学さんも隣のブースで出展されていまして、そういう横のつながりも含めてつくっていきたいなと思っています。あとは、プライベートの話になりますが、昨年宮前平にマイホームを購入しまして。川崎とは何か運命的なご縁があるのかなと勝手ながら感じています(笑)。
樫村:
いいですね、僕も社会人1年目は新丸子に住んでいました。今はお隣の市に引っ越してしまったのですが……(苦笑)、息子が川崎のサッカージュニアユースチームに所属しているので、ほぼ毎日等々力緑地のサッカー場に通っています。もちろん初詣は毎年川崎大師に参拝しています!
三浦:
長く川崎市とはお仕事をさせてもらってますが、現在進行形という感じで、私もまだ思い出として語れることは少ないです。ただ、中高大と通学で東横線を利用していたので、よく途中下車して寄り道したり、初めて行ったライブが川崎チッタだったりと、プライベートでは色々な思い出の詰まったまちです。当時から川崎にはスリリングな印象があって、好奇心とワクワクを刺激する、少し背伸びして踏み入る場所みたいな印象がありましたね。
尾島:
NTT東日本川崎支店としては、武蔵小杉エリアプラットフォームという団体に加盟しています。今年の3月に開催された「武蔵小杉SDGsフェア」では、市道21号線等の安全性向上に向けた社会実験として、カメラ計測・AI解析による人流調査に協力しました。弊社は通信のイメージが強いと思いますが、こうした実証実験を川崎とともに重ねていき、先行事例をつくっていけたらと考えています。
—COLORS, FUTURE! SUMMIT2023製作委員会への参画経緯を教えてください
三浦:
当社は「課題解決から可能性創造へ」というビジョンを掲げています。まちづくりにおいて行政は課題解決のプロですが、可能性創造のプロではありません。産官学がタッグを組むことで生み出せる未来があると考えています。また、本当のイノベーションは行政や企業が主導して生まれのではなく、生活者側からボトムアップで生まれるものだと考えていて。一市民として、そういったソーシャルイノベーションを起こすことにもチャレンジしたいという想いも参画を後押ししています。
尾島:
弊社のパーパス(存在意義)は「地域循環型社会の共創」です。また、ビジョンとして「SOCIAL INNOVATIONパートナー」を掲げています。通信事業が弊社の一丁目一番地ではありますが、地域のみなさまとともに歩み、共創していくことを何よりも大切にしているんです。100周年記念事業のお話をいただいたとき、まさに自分達の想いとぴったり重なると感じて参画を即決しました。ビジョンの実現に向けては、まだまだ足りていないことも多いので、各社さんからいろいろ学ばせていただきたいという想いもありますね。
平山:
私としても、企業と一緒になってこういったプロジェクトに参加する機会は多くないので、非常にいい学びの場になっていますね。大学という存在自体が未来の社会を担う学生を育てる機関なので、教育という観点から一緒に考え、できることがあるはずたという想いから参画を決めました。
樫村:
東急不動産ホールディングスとしては再エネ事業にも力を入れております。川崎は豊かな緑を残しながら発展してきた素晴らしいまちだと思っていて。この機会に、より魅力的なまちづくりに弊社として貢献できたらという想いから参画させていただきました。これまでも川崎市内の公園の管理運営や緑化などに携わらせていただきましたが、自然と共生しながらみんなが住みやすいまちをつくれたらと思います。
—COLORS, FUTURE! SUMMIT2023への意気込みや、展望をお聞かせください。
尾島:
先ほど樫村さんも話していましたが、川崎は本当に自然が豊かなまちで、海も山も川もある。日本全体としてみても、非常に可能性にあふれたまちだと思っています。COLORS, FUTURE! SUMMIT2023を通じて、その可能性をいかに拓いていくか、そのヒントを見出せたらと思っています。
樫村:
そうですね。100年というタイミングで、川崎市民の方々が川崎の魅力を再発見するような取り組みになったらと思います。それをみんなで共有することができたらいいですよね。
平山:
弊学はまだ新参者なので、これから川崎と深い関係を築いていって、200年目を一緒に迎えたいと思っています。個人的には、学生が地域の子どもたちと触れ合い、成長した子どもたちが弊学に入学してくれて、また川崎に貢献し、やがては世界に羽ばたく医療人として活躍する……というような好循環を回し、それを広げていけたら、こんなに幸せなことはないなと思います。
三浦:
「共創」が大きなキーワードになると思っていて、この座談会もまさに共創のモデルですよね。普段の仕事で、こうして不動産の方、通信エンジニアの方、大学の方とが横並びで話すことなんてまずないですから。これからの時代において、個社の力だけでは変化のスピードについていけないと考えています。この共創の取り組みが、社会を前進させるためのスタート地点になればいいなと。COLORS, FUTURE! SUMMIT2023を通じて、産官学モデルをクリエイティブの力で社会実装していきたいです。
—最後に、今後川崎市と一緒に取り組んでいきたいことがあればぜひ教えてください!
樫村:
先ほど三浦さんがソーシャルイノベーションの話をされていましたが、行政や企業からの発信ではなく、住民の方々からの発信に対して、一緒にまちづくりをしていく。そういったことが自然発生的に起こるようになったらいいなと思っています。
三浦:
すごくわかります。住民の方を巻き込んだ組織体やスキームが常にある状態を作れるといいのかなと。コロナを経て、多くの人がワークライフバランスを見直すようになったと思います。その中で、これまで以上に地域とのつながりを作ることが当たり前になってきているような感覚があって。まちづくりへの参加というニーズは高まってきているんじゃないか。そこで、産官学のモデルが噛み合うのではと仮説を立てています。この座談会に参加している各団体のように、それぞれの領域のプロフェッショナルが強みを持ち寄っていけたらと思います。
尾島:
ふだんの生活の中で何か困りごとや課題が出てきたときに、「とりあえずNTTに相談してみよう」と思ってもらえるような存在になれたらと思っています。電話や光通信だけじゃない、あらゆる分野で地域に密着したパートナーになれるよう、川崎と一緒に色々なことに取り組んでチャレンジしていきたいです。
平山:
これまで弊学としてさまざまな地域交流を経験してきましたが、地域に貢献するというより地域の方々から学ぶという側面の方が圧倒的に大きいんですね。先ほどお話した区民祭も、気づきや学びがたくさんありました。学びの本質は、教える・学ぶという立場ではなく相互的なコミュニケーションにあると思うので、それを川崎と一緒に実現し、広げていけたいですね。一緒にいい社会を作っていく、その一端を担えたらと思っています。