Colors,Future!Summit2023製作委員会に参画している各社のメンバーが、川崎への想いや100周年記念事業への意気込みを語り合う「かわさきPEOPLE」。今回は川崎市役所、株式会社ホリプロ、味の素株式会社、富士通株式会社から4名の方々にお集まりいただきました。
小池 智也
(川崎市役所)
1997年に入職以来、建築職としてさまざまなまちづくり事業に携わる。現在はシティプロモーション推進室市制100周年記念事業担当部⻑を務め、地域住民の方々や企業と手を取りながら、次の100年につながるプロジェクトを目指して奔走中。
須之部 為師
(株式会社ホリプロ)
Colors,Future!Summit2023製作委員会の委員長を務める。ホリプロがプロデュースするライブハウス『SUPERNOVA KAWASAKI』を幸区大宮町にオープンしたことをきっかけに、川崎とともに新たな才能の発掘・育成に注力している。
内山 剛志
(味の素株式会社)
2001年味の素入社。川崎事業所の総務・企画グループに所属し、川崎市民との交流イベントの開催などに積極的に携わる。Colors,Future!Summit2023製作委員会では副委員長を務める。
岩田 尚子
(富士通株式会社)
富士通にて、川崎市との持続可能な未来都市の実現に向けた取り組みを推進。「暮らしに関する自分の声を楽しく・気軽に伝え」ながら「まちがもっと好きに」なってもらうことを目的とした「マチカドプロジェクト」では、デザイン思考アプローチを活用した地域課題解決に取り組む。
—本日はよろしくお願いします。
まずは、それぞれの川崎市との関わりについて教えてください
内山:
味の素としては1914年の川崎工場立ち上げがきっかけで、それ以来長く深い関係を続けてきました。2024年で110年のお付き合いになるので、川崎市制が始まる前から関係があったということになりますね(笑)。私も川崎事業所に所属しており、地域交流イベントなどにも携わっておりまして、川崎は住民の方との距離がすごく近いまちだなと感じています。
岩田:
富士通も1935年の創業以来、川崎に根付いてさまざまな取り組みを共にしてきました。最近でいうと、2021年に持続可能な未来都市の実現に向けた連携強化を発表しました。協定に基づき、等々力緑地再編整備事業への参画、環境行動変容アプリ「Green Carb0n Club」の開発、ICTを活用した実証実験など、地域の皆さまに協力いただきながら行っています。
須之部:
ホリプロとしては今年幸区大宮町にオープンしたライブハウス『SUPERNOVA KAWASAKI』がきっかけで、川崎とのお付き合いは2020年頃からになります。ですので味の素さん、富士通さんのようにこれまで企業として長い関係があったわけではありませんが、住民の方々とも今後さまざまな取り組みをご一緒できるよう、今は土壌づくりをしているような段階ですね。
小池:
私は1997年に川崎市役所に入職しまして、建築職としてさまざまな企業さまや住民の方々とコミュニケーションを取りながらまちづくりに携わってきました。この100周年事業では、今日集まってくださっている3社さまをはじめ、今まで出会ったことのない方々とも新しい接点をつくることができ、本当に感謝しています。川崎への想いをもっと大きくして、次の100年につないでいけるよう、みなさまと力を合わせていけたらと思っています。
—これまでの川崎市との取り組みの中で、印象深いエピソードはありますか?
岩田:
昨年、中原区で一緒に「マチカドプロジェクト」という実証実験に取り組ませていただきました。武蔵小杉駅周辺にタッチパネル型のデジタルサイネージを設置し、住民の方が気軽にまちのアンケートに参加できる仕組みづくりに挑戦したんです。熱意を持った中原区役所のみなさんに一緒に取り組んでいただき、色々な方の生の声を聞くことができたので、とても有意義なプロジェクトになりました。
内山:
10年以上前の話になりますが、私が環境に関する法令対応を担当していた際に、川崎市の環境局の方がすごく親切に対応してくださったのが印象的でした。法令に関する知識が乏しかった私に対して、数年間にわたり親身になって相談に乗ってくださったことは今でも非常に感謝しています。
須之部:
弊社としては、これからそういったエピソードをつくっていけるように、長い関係を築くための土壌づくりをしていきたいですね。このサミットへの参画もそのひとつだと思っています。やっぱり、いい土壌がないといい芽も出ませんし、花も咲かないので。まずはSUPERNOVA KAWASAKIをもっと川崎のみなさまに知ってもらえるように、市内の学校の軽音楽部と連携したり、日中はワークショップなどを開催して住民の方々に参加いただいたりなど、いろいろと計画を思案中です。可能性を狭めることなく、広い視野で取り組んでいきたいですね。
小池:
これまでは建築職としてハード面からまちづくりに携わってきました。その中で、どうしても住民の方と意見がぶつかる場面もありました。しかし、お互い「川崎をもっとよくしたい」という想いは変わらないはず。そう信じて、コミュニケーションを重ねてきたつもりです。そして、それは今でも変わりません。100周年記念事業は、ソフト面から川崎をもっといいまちにしていこうというプロジェクトなので、これからも住民の方々と対話しながらまちづくりに携わっていきたいです。
—これまでの川崎市との取り組みの中で、印象深いエピソードはありますか?
小池:
よくある行政の周年事業では、自治体主導でイベントを催すケースが多いと思うのですが、この100周年事業は企業や大学、そして住民のみなさんと共創していくことを大切にしています。共同事務局という形で密に打ち合わせする中で出てきたのがこの「COLORS, FUTURE! SUMMIT2023」のアイデアでした。須之部さんがすぐさま委員長に手を挙げてくれたことで一気に推進力が増したので、とてもありがたく思っています。
須之部:
そんな大層な気持ちではなかったんですけどね。失敗したらその時はその時、くらいの思いで……(笑)。
一同 (笑)
須之部:
でも、味の素さんや富士通さんとも対話する中で、ホリプロとしてできることはなんでもやりましょうという気持ちはもちろんありました。個人的には、川崎は「東京や横浜と比べて……」というような後ろ向きな想いを持っているように感じていて。「川崎がリードする」くらいのつもりで発信してもいいだろうと思っているので、そこは前向きにやっていきたいです。
内山:
そうですね、どうしても近隣の華やかなエリアと比べてしまいがちではありますが、私も須之部さんの想いにはとても共感できます。味の素の工場は川崎区にありますが、この100周年事業は市内7つの区にまたがって開催されるので、それぞれの区の魅力や雰囲気を知るきっかけにできたらいいなと思っています。
小池:
多くのまちは中心から円環状に広がっていきますが、川崎は地形的に細長い。川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵溝の口駅、新百合ヶ丘駅とそれぞれに魅力的な側面がありますが、それゆえに南北の交流が少ないんですよね。内山さんのおっしゃるように、川崎全体が一体感を持って、住民の方が今まで知らなかった川崎の魅力を知ることができるようなプロジェクトにしていけたらと思います。
岩田:
そうですね、私ももっと川崎のことや住民のみなさんのことを知る機会になったらと思っています。それと同時に、川崎とゆかりの深い富士通のことももっと知ってもらえたら嬉しいです。先ほどお話した実証実験や等々力緑地の再編整備など、ICTを活用して川崎のまちづくりに参画していることを、もっと発信していきたいなと思っています。
—ちなみに、これまで各社同士のつながりはあったのでしょうか?
岩田:
会社としてはあったと思いますが、個人としては初めてですね。
内山:
私も岩田さんと同じ状況で、ここまで密に打ち合わせをしたり、プロジェクトメンバーとして同じ目標に向かっていくというのは、今までなかったですね。各社さんの社風というか雰囲気を垣間見ることができるので、それもまたいい刺激になっています。
岩田:
すごく新鮮ですよね。ホリプロさんは特に弊社とは雰囲気が全然違って(笑)
須之部:
みなさんの会社はよく統制とれているなと思います(笑)うちはよく言えば自由ですが、悪く言えばルーズなところもあるので……。
一同 (笑)
小池:
自分はどうしても慎重派というか、何事も安全・安心に進めようとしてしまうのですが、みなさん「まずはやってみよう」とグイグイ進めてくれるので、そういう意味でもすごく刺激を受けてますね。
—最後に、川崎の好きなところをぜひ教えてください!
小池:
個人的には等々力緑地をおすすめしたいです。子どもの遊び場から釣り池、とどろきアリーナにスタジアム、テニスコートやサッカーコートや陸上競技場など、色々な施設があり、汗と涙と笑顔が溢れる場所です。川崎の魅力がぎゅっと詰まった場所なので、ぜひ遊びにきてほしいですね。
岩田:
川崎の魅力は多様な暮らし、楽しみがあるところだと思っています。自然もあれば商業施設もあり、工業地帯もあって、これからも色々な側面の魅力をもっと深く知っていきたいです。そして川崎をもっと魅力的な場所にすべく、さまざまなことに取り組んでいきたいです!
内山:
私は15年以上川崎に住んでいたのですが、昔ながらの商店街のような場所や文化がところどころに残っているところが大好きです。この100周年記念事業を通じて、ターミナル駅周辺だけではない、もう一本路地に入ったところにある魅力をぜひ知ってほしいなと思います。
須之部:
私はまだまだ知らないことも多いというのが正直なところですが、個人的には「産業のまち」という側面をもっと押し出していけないかなと思っています。そういう目線で見ると、川崎は世界的にも珍しいエリアだと思うんです。ホリプロはまだまだ新参者ですが、還元できることは惜しげなく還元して、川崎を盛り上げていきたいです。
小池:
確かに、工業地帯として発展してきたまちですからね。さまざまな企業さまと連携して若いチャレンジがどんどん生まれ、新しい産業が生まれるまちにしていけたらいいですよね。そのためにも、この100周年記念事業を成功させて、次世代にバトンを繋げられるように全力で取り組みたいと思います!